プロジェクト

当研究室の研究はネットワーク、モバイル、ソフトウェア、ハードウェア、ヒューマンファクターにまたがり、一貫してそれらのセキュリティとプライバシーに重点を置いています。以下では主要な研究テーマごとに、代表的な査読付き論文(トップレベルおよび主要な会議・論文誌)を新しい順に紹介します。全業績は 年別論文リスト、国際会議論文、論文誌 をご覧ください。

AI・機械学習セキュリティ

機械学習アルゴリズムや基盤モデルに対する攻撃と防御に取り組んでいます。データポイズニング、敵対的回避攻撃、ディープフェイクなどを扱います。

  • Text-to-Imageモデルに対する言語横断データポイズニング — 多言語環境における脆弱性要因と防御 (ICPR 2026; NDSS 2026 ポスター)
  • Attentionベースの動的マルウェア検知器の回避 — 強化学習に誘導された敵対的APIパラメータ注入 (ACM SAC 2026)
  • Noise-Augmented Transferability — 少ないクエリ予算でAndroidマルウェア検知器を欺く転移攻撃 (IEEE Access 2025)
  • ディープフェイク検知のためのニューラルアーキテクチャ自動探索 (FPS 2024)

セキュリティのためのLLMエージェント

セキュリティ解析を自動化するLLMベースのエージェントシステムを構築・評価し、そうしたシステムの信頼性を高めるためのエンジニアリング指針を整備しています。

  • 共有ドメイン型ホスティング上のフィッシング検知 — LLMによる文脈の不整合の推論 (ARES 2026)
  • セキュリティ用オープンLLMエージェントシステムのエンジニアリングガイド — SCIS 2026 論文賞 (SCIS 2026)
  • CHASE — 悪性PyPIパッケージを解析するLLMエージェント (AIware 2025 @ ASE)
  • BrandSpotter — タスクに最適化した軽量LLMによる、フィッシングで標的とされたブランド名の特定 (IEICE Trans. 2025)
  • LLMによるプライバシーポリシーの分かりやすさ評価 — LLMを用いた自動評価 (USEC @ NDSS 2025)

自動運転・フィジカルAIセキュリティ

自動運転と身体性AI(Embodied AI)を対象に、攻撃と防御の両面から研究しています。LiDARによる認識、交通標識・信号機の認識、Visual SLAM、高精度地図(HDマップ)、車載(CAN)ネットワークなどを扱います。

  • Artistic Adversarial Examples — 落書きを用いた交通標識認識への攻撃 (ICICS 2026)
  • Cloaking Signals with Signs — 交通標識に偽装したパッチによる信号機検出への攻撃 (VehicleSec 2026)
  • TEV-IDS — 空間的な時間エントロピー変動フィンガープリンティングによるCAN侵入検知 (IEEE VTC2026-Spring)
  • Adversarial Fog — LiDAR点群前処理フィルタの脆弱性を悪用する攻撃、Best Paper Award 受賞 (ACM AsiaCCS 2025);防御を含む拡張研究 (JIP 2026)
  • Shadow Hack — LiDAR物体検出に対する物理的な敵対的影攻撃とその防御 (USENIX Security 2025)
  • vSLAM・自己位置推定への攻撃 — vSLAMドローンへの誤位置推定攻撃、NDTの脆弱性、HDマップの改ざん (VehicleSec 2025)
  • DAP — 特徴点ベースのビジュアルオドメトリに対する動的な敵対的パッチ攻撃 (VehicleSec 2025)
  • AVATAR — 自動運転の経路計画(プランナー)に対する敵対的な車両軌道攻撃 (ACSW 2025)
  • DeGhost — 自律認識システムにおけるファントム侵入の検出、Distinguished Paper Award Runner-Up 受賞 (IEEE EuroS&P 2024)
  • 敵対的再帰反射パッチ — 夜間の交通標識認識に対するステルス攻撃 (VehicleSec 2024)

Web・ネットワーク・不正対策セキュリティ

インターネット規模での計測と検知に取り組んでいます。フィッシング、悪性ドメイン、IDNホモグラフ、Webトラッキング、メール認証などを扱います。

  • YouTube上のマルウェア配布の大規模分析 — 偽のゲームチートやクラック版ソフトウェア (WACCO 2026 @ IEEE EuroS&P)
  • Melting Pot of Origins — Webサイトを再ホストする中継型Webサービスの侵害、Distinguished Paper Award 受賞 (NDSS 2020);論文誌版 (JIP 2024)
  • BIMI — Brand Indicators for Message Identification の初の実態調査 (PAM 2023)
  • COVID-19関連ドメイン名 — その起源と影響 (PAM 2021)
  • TLS証明書によるフィッシングサイトの特定 — 証明書の痕跡からHTTPS化されたフィッシングサイトを特定 (IEEE EuroS&P Workshops 2020)
  • ShamFinder — IDNホモグラフを自動検出するフレームワーク (ACM IMC 2019) [GitHub]
  • 実環境におけるWebトラッキング — スケーラブルなトラッキング検出システム (IEICE Trans. 2017) とキャンバスフィンガープリンティングの計測 (RAID 2015)
  • DomainProfiler / DomainChroma — 悪用されるドメインの早期発見 (IEEE/IFIP DSN 2016) と実践的な対策 (Computers & Security 2018)
  • SFMap — ドメイン名グラフを用いた暗号化HTTPトラフィックのホスト名推定 (IFIP TMA 2015)
  • AutoBLG — URLブラックリストの自動生成 (IEEE ISCC 2015)

モバイル・ソフトウェアセキュリティ

モバイルアプリのエコシステムの大規模分析、アプリの挙動と説明の一貫性、マルウェア解析、VRなどの新しいプラットフォームを扱っています。

  • Action Required — GitHub Actionsにおけるセキュリティ実践の混合研究法による調査 (NDSS 2026)
  • スマートコントラクト関連ツール — 脆弱性検出ツールの評価 (ACM SAC 2026) とスマートコントラクト上の乱数生成 (ACM DLT 2025)
  • VRアプリのセキュリティとプライバシー — URL文字列の分析による調査 (JIP 2024)
  • マルウェア解析 — SmmPackによるSMMモジュールの難読化 (DIMVA 2024);EIGERによるIOCの自動生成 (ACSAC 2019);偽レビューの生成 (ESORICS 2018)
  • CLAP — DNSクエリの類似性に基づくAndroid PUA(潜在的に望ましくないアプリ)の分類 (IEICE Trans. 2020)
  • 放棄されたインターネットリソース — Androidアプリが再利用するリソースに起因する脅威 (ACM AsiaCCS 2018)
  • モバイルアプリの脆弱性 — サードパーティ製ソフトウェアモジュールに起因する脆弱性の大規模計測 (MSR 2017)
  • サードパーティAndroidマーケット — セキュリティ管理の実態解明 (APWG eCrime 2017)
  • AppRaiser — Androidクローンアプリの大規模検出 (IEICE Trans. 2017)
  • ACODE — 静的解析と自然言語処理によるアプリの挙動と説明文の一貫性分析 (SOUPS 2015)

ユーザブルセキュリティ・プライバシー・ヒューマンファクター

人々がセキュリティとプライバシーをどのように認識し行動するか、新しい認証方式、プライバシーポリシーや個人データのエコシステムの分析に取り組んでいます。

  • ソーシャルトリガーの負の効果 — ユーザのリスクの高いセキュリティ・プライバシー行動の連鎖 (SOUPS 2024; JIP 2025)
  • Rhythm Tap — リズムの変化を用いたインクルーシブな認証 (NDSS 2025 ポスター)
  • What Are Cars Collecting? — 自動車業界のプライバシーポリシーの調査 (VehicleSec 2025)
  • PinchKey — VRユーザ向けの使いやすい行動的生体認証 (EuroUSEC 2023; JIP 2025)
  • BlinkAuth — まばたきによるユーザ識別 (ACM AsiaCCS 2024)
  • プライバシーポリシーの分析 — グループ企業の構造と日本の法改正 (WPES 2023)
  • オンラインバンキングの不正検知 (JIP 2023);ネットオークションの購入履歴に関するプライバシー (IPSJ 2018)
  • 非専門家によるセキュリティ・プライバシーの質問 — Q&Aサイトにおける分析 (SOUPS 2022; IEICE Trans. 2023)
  • フィッシングと英語の非ネイティブ話者 — 経験と行動傾向 (JIP 2022);スクリーニング手法の影響、Best Paper Award 受賞 (EuroUSEC 2021)
  • GAEN接触通知のプライバシー — リンキング攻撃の実現可能性 (PETS 2022)
  • 言語圏をまたぐパスワード選択 — 言語・文化の違いの比較分析 (EuroUSEC 2019; IEICE Trans. 2020)
  • ソーシャルアカウントの匿名性解除 — ユーザブロック機能を介した、攻撃者が制御可能なサイドチャネル (IEEE EuroS&P 2018)

攻撃的セキュリティ・サイバーフィジカルセキュリティ

物理世界とデジタル世界が交わる領域に現れる新たな攻撃対象領域を探究しています。タッチスクリーン、RF/電磁波サイドチャネル、音声アシスタント、医療機器、アナログ信号に対する防御などを扱います。

  • Adversarial Beats — 心電図の自動診断における偽装された不整脈 (ACM TCPS 2026)
  • Cyber-Physical Firewall — 悪意あるアナログ信号の監視と制御 (ACM CF 2022; ACM TCPS 2026)
  • ChatterBox — 音声アシスタントアプリの挙動の透明性を把握するためのフレームワーク (RAID 2022) [GitHub]
  • Tap ‘n Ghost — スマートフォンのタッチスクリーンに対する新たな攻撃手法 (IEEE S&P 2019) [GitHub]
  • Audio Hotspot Attack — 指向性音響ビームによる音声アシスタントシステムへの攻撃 (IEEE Access 2019)
  • RF Retroreflector Attack (RFRA) — ハードウェアインプラントによる通信路の実現可能性の検証 (USENIX WOOT 2018) [GitHub]
  • Trojan of Things — 日用品への悪性NFCタグの埋め込み (arXiv 2017)
  • TouchFlood — 静電容量式タッチスクリーンへの攻撃 (ACM CCS 2017 ポスター)
  • RouteDetector — モバイル端末のセンサを用いた位置推定サイドチャネル (USENIX WOOT 2015)

オープンソースコード

論文とあわせて公開している主なコードです(全リストは リポジトリ のページもご覧ください):

このページでは代表的な研究を紹介しています。そのほかの多数の論文・ポスター・デモは業績ページに掲載しています。進行中のプロジェクトの詳細は、公開可能になり次第掲載します。